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ベロシティベーストトレーニングで実現するプロ級オートレギュレーション

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ベロシティベーストトレーニングで実現するプロ級オートレギュレーション

ベロシティベーストトレーニングで実現するプロ級オートレギュレーション

「今日はなんだか重い…」
ジムでバーベルを握った瞬間、そんな感覚になる日、ありますよね。逆に、アップの段階から体が軽くて、「今日いけるかも?」と感じる日もある。正直なところ、この“日による差”は誰にでもあります。

でも、多くの人はどうしているでしょうか。
決められた重量、決められた回数。そのまま突っ込む。あるいは、気分で軽くしたり、無理したり。悪くはないですが、再現性は低いですよね。

そこで注目されているのがベロシティベーストトレーニング(VBT)です。感覚ではなく、「挙上スピード」という客観的な数値を使って、その日の自分に合わせてトレーニングを自動調整する。まさにプロっぽいやり方。でも実は、今は一般トレーニーこそ使う価値が高いんです。

忙しい社会人、睡眠時間が安定しない人、疲労が溜まりやすい人。日本のトレーニー事情を考えると、VBTはかなり相性がいい。信じてください、これは流行りじゃなく“合理化”です。

ベロシティベーストトレーニング(VBT)とは何か

VBTを一言で言うなら、「重量ではなく速度を基準にトレーニングを管理する方法」です。

例えばスクワット。
軽い重量ならスッと立ち上がれるし、重くなるほど動きは遅くなりますよね。この“遅くなる・速くなる”を数値として捉え、「今日はこの速度が出ているから、この重量が適切」と判断する。それがVBTの基本です。

多くの場合、以下のような指標が使われます。

  • 挙上時の平均速度(Mean Velocity)
  • 一番速かった瞬間のピーク速度(Peak Velocity)

そして重要なのが、VBTは1RM(最大挙上重量)を絶対視しないという点です。

なぜ『速度』が重要な指標になるのか

理由はシンプルです。
速度は、その日のコンディションを正直に反映するから。

睡眠不足、仕事の疲れ、前日のトレーニング。これらはすべて、神経系や筋出力に影響します。でも1RMは変わりませんよね。「理論上の最大値」は同じ。

一方、挙上速度は嘘をつきません。
同じ80kgでも、速く上がる日と、やたら遅い日がある。その差こそが、今日のあなたの状態です。

従来の%1RM管理の限界

%1RMベースのプログラムは、今でも王道です。否定はしません。ただ、弱点もあります。

・1RM測定自体が疲れる
・数週間で実力が変わる
・体調変動を考慮しにくい

結果として、「今日は本当はキツすぎた」「逆に余裕すぎた」というズレが起きやすい。VBTは、そのズレを最小限にしてくれます。

VBTによるオートレギュレーションの仕組み

オートレギュレーション。言葉は難しそうですが、やっていることはシンプルです。
その日の自分に、ちょうどいい刺激を与える

VBTでは、セット中やセット間の速度変化を見て、続行するか、重量を変えるか、やめるかを判断します。

『今日は重い』を数値で判断する考え方

例えばベンチプレス。
アップで60kgを挙げたとき、いつもより明らかにバーが遅い。数値を見たら、平均速度が普段より10〜15%低い。

この時点で分かります。「今日は神経系が万全じゃないな」と。
無理に重量を追わず、速度ゾーンを守る。これだけで、怪我のリスクはかなり下がります。

逆に、予定重量より速く挙がる日もある。そのときは、少し欲張ってもいい。こういう“柔軟さ”が、長期的には伸びます。

速度低下率ルール(例:20%)の活用

VBTでよく使われるのが、速度低下率です。

例えば、セット最初の1回目が0.60m/sだったとします。そこから20%低下、つまり0.48m/sを下回ったらセット終了。これだけ。

「あと2回はいけそう…」という感覚をあえて無視する。これ、最初は物足りないです。でも、翌日の疲労が全然違う。信じてください、回復力が変わります。

VBTで使われる代表的な速度指標

ここで、少しだけテクニカルな話を。
でも大丈夫。ポイントだけ押さえればOKです。

平均速度(Mean Velocity)

挙上動作全体の平均スピードです。
多くのVBT研究や現場では、この指標がメインで使われます。

理由は安定性。ピークよりブレにくく、疲労の影響も見えやすい。特に筋力・筋肥大目的なら、まずは平均速度を見るといいです。

ピーク速度(Peak Velocity)

一番速かった瞬間のスピード。
こちらは、パワー系やスピード重視のトレーニングで活躍します。

ジャンプ系や軽重量の爆発的動作では、ピーク速度の方が感覚と一致しやすいこともあります。

平均速度とピーク速度の使い分け

迷ったら、こう考えてください。

  • 筋力・筋肥大 → 平均速度
  • パワー・瞬発力 → ピーク速度

全部を完璧に管理しようとしなくていい。まずは一つ、使う。それで十分です。

目的別に見るVBTの速度ゾーン活用法

VBTの面白いところは、目的によって“遅くていい”“速くなきゃダメ”が変わる点です。

筋力・筋肥大・パワーで何が違うのか

一般的な目安ですが、こんなイメージです。

  • 筋力向上:0.15〜0.35 m/s
  • 筋肥大:0.35〜0.60 m/s
  • パワー:0.60 m/s以上

筋力狙いは、正直かなり遅い。
「潰れそうだけど、まだ速度ゾーン内」そんな感覚です。

筋肥大は、コントロールされたスピード。パンプも出やすい。
そしてパワーは、とにかく速く。遅くなったら、その重量はもう使わない。

この線引きがあるだけで、トレーニングの質はガラッと変わります。

代表的な種目でのVBT実践例

バーベル種目での具体的なイメージ

バーベルフルスクワットはVBTの王道です。
全身を使うので、速度と疲労の関係が非常に分かりやすい。

例えば、筋力目的で0.30m/sを下回らない重量を探す。
その日のベストが120kgの日もあれば、110kgの日もある。それでいいんです。

バーベルベンチプレスでは、肩や肘の違和感予防にも役立ちます。
速度が急に落ちたら、無理せず終了。それだけで関節が守られます。

バーベルデッドリフトは特に重要。
疲労が溜まると、フォームが崩れる前に速度が落ちます。数値は、最高の安全装置です。

ジャンプスクワットのようなパワー種目では、「常に速いか?」だけを見る。遅くなったら即終了。潔さ、大事です。

VBTを始めるためのツールとルーティン例

「でも、専用機器が高いんでしょ?」
よく聞かれます。確かに、プロ用は高価です。でも選択肢は増えています。

初心者でも導入しやすい現実的な方法

最近は、スマートフォン連動の速度計測デバイスや、日本語対応アプリもあります。まずはそれで十分。

どうしても無理なら、体感速度+RPEの併用でもOKです。「速く挙げようとして、明らかに遅くなったら終了」。これも立派なVBT的思考です。

ルーティンもシンプルでいい。
・週2〜3回
・主要種目だけ速度管理
・補助種目は感覚

完璧を目指さないこと。続けること。これが一番大事です。

まとめ:データを味方にした賢い筋トレへ

ベロシティベーストトレーニングは、魔法ではありません。
でも、無駄打ちを減らし、伸びる日を最大化する力があります。

感覚を捨てる必要はない。むしろ、データと感覚を組み合わせる。それが本当の意味でのオートレギュレーションです。

長く、強く、怪我なく続けたいなら。
一度、速度に目を向けてみてください。トレーニングの見え方、変わりますよ。

よくある質問